Understanding Enterprise SOA

ずっと積読をしていた本を読んでいます。Enterprise SOAの本というと、私はエンタープライズ領域に固有のセキュリティやトランザクション、メッセージング、ESBなどの技術的な側面を真っ先に想像します。

ところがこの本はまったく違います。2つの企業が合併して、まったく違うシステムを統合する必要が生じた。片方はメインフレームベース、もう片方は分散システム。それぞれのシステム部門のスキルはまったく違う。統合をするためにEAIを導入するも、うまくいかない。こんな話から始まって、いかにSOAを導入するかという風に進んでいきます。

この本では、SOAの概要や技術的側面にも触れますが(SOAPXMLのRPCである、というレベルで解説しているので退屈)、それよりもむしろ「組織」や「人」の面にフォーカスを当てているのが特徴です。本の終盤では、SOAを導入する際に、ビジネス上の優先順位をいかに設計に反映させるか、パイロットプロジェクトをどのように進めるか、というところにページが割かれています。

内容的には興味あります。しかし、本全体が物語風。登場人物の名前や役割を頭に叩き込まないと途中からは読めませんので根気が要ります。それに、いわゆる、テクニカルな文書スタイルではないので、楽に読み進められません(文章の構成とか単語とか)。途中で投げ出しそう。比較的薄い本なのだけれど。