Style: Chapter2 Clarity

第2章は文章を明快にするための原則を説明しています。
まず、その原則を御紹介しましょう。

読者は次の場合に文章が明快(clear)で直接的(direct)であると感じます。
(1)文の主語(subject)が登場人物(character)を示しているとき。
(2)その主語の動詞(verb)が登場人物がかかわる重要な動作(action)を示しているとき。

これは一見あたりまえのことが書いてあるように思えますが、受け身の文のように動作の主体となる人と文の主語が一致しない例はいくらでもあります。

文章を物語と例えると、そこには登場人物がいて何らかの動作をするはずです。この話の内容を文章にするとき、それらが明確になっていないと文章はわかりにくくなります。

次の例を見て下さい。

1a. Because we knew nothing about local conditions, we could not determine how effectively the committee had allocated funds to areas that most needed assistance.

1b. Our lack of knowledge about local conditions precluded determination of committee action effectiveness in fund allocations to those areas in greates need of assistance.

1aが上の原則に従った例で、1bが従っていない例です。両方とも文法的には間違いはないですが、1aの方が1bより明快な印象を与えます。1bにおいて動作に相当する語を拾うとlack, knowledge, determination, action, allocation, needと動作が名詞になっているのが特徴的です。動作が名詞になっているため、その動作主体となる者があいまいになり、文として読みづらくなってしまっています。

この原則を適用すると次のような効果が得られます。

  • 具体的に書ける。
  • 前置詞の数を減らせる。
  • アイディアを論理的な順番に並べられる。
  • 論理関係をはっきりするために接続詞を使える。
  • 文章が短くなる。

この原則って、ユースケース図でactorとusercaseを探す過程に似てると思いません?
...つづく。