本は書き込みをした瞬間に自分の本になる

三色ボールペン情報活用術」にも書いてありますが、本に書き込みをすると、不思議とその書き込みをしたページを自分で覚えています。それは「書く」というのが能動的な行動だからです。つまらない本にはアンダーラインを引くことはないし、書き込みをすることはありません。つまり、書き込みの多い本は、自分にとって重要あるいは印象深いことが書いてあったことを示す=重要な本、であることを示しています。

本への書き込みは、次にその本を読む将来の自分に対するガイドです。大事な点は、すでに印がしてある。くだらない段落には段落ごと×が書いてるので、次回に同じくだらない段落を読む必要がない。文章上の飛躍をメモが埋めている。なんてすばらしいことでしょう。自分が本を読んだというかけがえのない記録。そして、利用しやすいように加工された情報。

本の内容をノートに要約する? 読書カードを作る? 他人から借りた本や図書館の本はそうするしかありません。研究者ならそれも良いでしょう。でも、時間の限られた技術者が自分の買った本でそうすることが本当に得策でしょうか。そうすれば、本が汚れないからAmazonブックオフに売れるかもしれません。でも、そうすると、自分の書き込みと本の間のリンクが希薄になります。大事なのは、本ではなく、本との対話の記録である自分の書き込み、ではないでしょうか。

なんて考えているのですが、4色ボールペンを握ったまま通勤電車で居眠りをすると、自分のズボンに赤い線が引かれていたりします。あはは。