考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

この手の本の原典というべき有名な本ですが、教科書的な無味乾燥な本だと勝手に思い込んでいたために遠ざかっていました。Amazonのレビューコメントでは「翻訳が酷い」、「難解」というのが多いのもこの本を手に取るのが遅れた一因です。その代わり、もっと手軽な類書を何冊が読んでいました。

失敗でした。最初からこの本を読めばよかった。考えるには技術がいる。同じことをぐるぐると頭の中で考えるのではなく、問題を解決するためには、問題解決の施策を洗い出し、それらをグルーピングし、グルーピングしたものを構造化し、さらに出来上がったその構造をもとに最初に考えた施策に過不足がないかを見直す。「考え抜く」とは、これらのプロセスを何度も何度も執拗に繰り返すということです。

帰納的、演繹的、のような表現や、図による論理構造の表現は、理系のみなさんにはお馴染みなので難しいことはありません。翻訳?私は工学書の翻訳を大量に読んでいるので、このぐらいの品質はまったく気になりませんが、気になる人は原書を読めば良し。必読。