JBoss Messaging 1.0.0GA

かねてからJBossのアキレス腱と言われていたのは、分散トランザクションとJMSです。分散トランザクションは、そもそも機能として欠落していたのに対し、JMSはJBossMQの性能および信頼性の面での問題でした*1JBossはこれらの欠点を克服するため、JBoss TransactionはArjunaやHPからのトランザクション技術の買収という方法を、JBoss Messagingは従来のSpyderMQベースのJBossMQをスクラッチから書き直すという方法を取りました。

JBossは、JEMSのことをSOAのプラットフォームという言い方をしています。JBoss Messagingは、JBoss 5のデフォルトJMSプロバイダとして採用されますし、将来のJBoss ESBのメッセージ・トランスポートとしても使われます。アプリケーション同士がサービスバスを通じて連携し合うようなハイエンド市場のシステムにおいてJBoss Messagingがいかに重要なコンポーネントであることが理解できると思います。

さて、このJBoss Messaging 1.0ですが、これはJMS 1.1実装という位置づけであって、まだ(十分な品質の)クラスタサポートはされていません。このクラスタサポートは1.2で計画されているようです。1.0.0GAリリースノートには次のような記述があります。

Better high availability/load balancing features. JBossMQ is essentially a singleton (hub and spoke server architecture). Some HA features have been later bolted on it, but it lacks in-memory replication of NON_PERSISTENT messages, distributed/replicated destinations and transparent fail-over. JBoss Messaging will add these features. However, production quality clustering will be only available in the Messaging 1.2 release.

参考:

*1:JBossMQはAdrianらの努力によって改善されましたが、メンテナンスモードのため新規機能はJBoss Messagingにしか追加されないとのこと