日本はなぜ敗れるのか : 敗因21カ条

確か橋本治だったと思うけど、戦争のことを批判する現代人(つまり我々)が、その時代の只中に置かれたとすると、やはり右往左往して、その時代に流されているに違いない、というようなことを何かの本に書いていました。

日本はなぜあのような負け方をしなければならなかったのか。なぜ竹やりで原爆に勝てると思ったのか。高度経済成長や受験戦争を例にあげるまでもなく、当時の日本を翻弄した「力」は、終戦で終わったわけではなく、我々は今現在も同じ「力」の呪縛から逃れられていないのではないか...この本は戦争当時の技術者の日記という視点から日本人を論じます。

ですから、これは歴史の本というよりは、日々の身の回りの生活、仕事で経験する不合理や閉塞感といったものが一体なんなのか、本当の反省とはどういうことなのかについて考えさせる本です。